ああ、正確に言えば|保証人

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「ああ、正確に言えばインターネットで知り合った人とですね。そんな事は確率から言えば、無いと見ても大丈夫ですよ。年間に自殺する人は三万人程度 います。だがそんな事件はこの何年間で、たったの何件かですよ。その事を考える方が難しいと思いますが」

「あのー、娘のアパートに行ったのですが、部屋がきれいに片付いていて、何かを感じさせるのですが」

「部屋がきれい。という事は、お嬢さんは一人で住んでいる、という事ですか」

 その事は警部から聞いていたが念の為にと思い訊ねてみた。もしも男と暮らしているのなら話が拗れてくるからだ。「ええ、娘が『一人で住んでみたい』と言い出したもので」

「まぁ、年頃になると皆、独立心が芽生えてきますからね。それに部屋がキレイなのはいい事じゃないですか。将来いいお嫁さんになれますよ」 少しでも母親が安心するように気を使った。

「あのー、関係があるとは思うのですが、私の携帯電話に娘からの着信記録が有りまして、気がついた時に掛け直したのですが、娘の携帯電話にはつながらなくて」

 携帯に着信記録が有ると言う事は、ゆかりさんは何処かで生きている証拠であって、まだ望みは残っている。「その着信は何回ぐらいあったのですか」

「三回です。最近は七月の一日で、最初は六月に、二回ほど」

 居なくなったのは五月十日だ、それから少し間があったという事は、児玉ゆかりさんには彼女なりの悩みがあったと見てもいいだろう。それに母親の携帯に電話を掛けるという事は、自殺する事に対する躊躇いがあって、何かのシグナルを送っているのだろう。

「理由はそれだけですか」「それと夢を見るんです」「夢ですか」「ええ、夢の中でゆかりが私に向かって『助けて、お母さん』と叫ぶのです」 「もう少し具体的にその事を言って貰えますか」

夢の中で、娘の顔

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