夢の中で、娘の顔|保証人

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「夢の中で、娘の顔がフワーといった感じで浮かんできて、そこで娘が叫ぶのです、『助けて、お母さん』と。それだけです。それ以外の場面は何もありません」

 児玉恵子さんは、警部とは落ち着いて話が出来ていなかったみたいだ。こうやって相手が落ち着いている時に、事務的な話し方をすれば、すんなりと事実を話してくれるものだ。

「それは何回見られたのですか」

「居なくなってから三回です。全て同じ内容の夢でした。それと不思議なことに娘からの着信記録が残るのは夢を見た翌朝です」

 人間、夢という物はそんなには記憶していないものだ。それを覚えているのは母親の中に、娘の事を心配に思う気持ちがあるから、それが夢となった時に『助けたい』と思う記憶として残されるものだろう。

 だからこの母親の見た夢というのは、もともと女性が持っている、娘を心配する母親としての本能だろう。特に心配する必要がある事では無いようだ。しかし夢を見た日に限って娘からの着信記録が残っている、これは問題だ。

 それにはどんな意味が有る。「夢というのは何時ごろ見られたものですか」「それはちょっと、記憶には残っていません」

 それもそうだ。夢だからこそ、現実ではない。睡眠中だからそれ以外の何も覚えていなくて当たり前だ。いやちょっと待てよ。『夢を見た翌朝、着信記録が残っていた』と母親は言ったが、良く考えると夢は寝ているときに見るものだ。

そして夢から覚めた時

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